砂姫
04年7月発売、「天獄」単行本1巻初回セットフィギュア

はじめに。

ここしばらく発売になった製品が続きましたから、その一連でご信頼をいただいて、予約して下さっている方も居られるかと思うのですが、今回の砂姫さんは、綾波さんやホイホイさんとは、関節の方式や遊び方にかなり違いがあります。同じようなシステムではありません。ですから、今回の3種を気にいって下さった方でも、人によっては好みの合う合わないもあると思います。
今回の更新では、砂姫さんの内容を、得手不得手とも、出来るだけ詳しく記載しました。
飽くまでも位置づけは付録ですし、立場上僭越であるとは思うのですが、安い物でもありませんし、よくご確認頂いて、その上でご予約なりお買い上げいただければ幸いです。宜しくご検討ください。
勿論、気に入って下さった方は是非。自由に動いて気軽に遊べる、といった製品ではありませんが、このフィギュアでしか出来ないプレイバリューを色々と盛り込んだつもりです。よろしくです。

■今年7月に集英社から発売予定の、うたたねひろゆき氏著「天獄」単行本一巻より、「砂姫さん」を造らせていただきました。うたたねさんとは、以前ドールヘッドのお仕事をさせて頂いた事があり(こっちはこっちで企画がストップしてますが)、そのご縁もあって声をかけていただきました。

今回の生産はユージンさん。サイズが約15cmですから、同社のSRDXシリーズに近いような感じなのでしょうか。
ユージンさんと言えばガチャ業界東の雄ですが、お仕事のお付き合いはこれが初めてになります。原型の方式から生産に至るまで、浅井のお付き合いしてきたメーカーさんとはかなり違いがあり、戸惑いもあったのですが、逆に面白い経験が積める機会でもありました。この砂姫さんで得た経験が無ければ、電撃大王付録のよつばを造ることは出来なかったと思います。
(発表まで時間が開きましたが、製作は綾波さん→砂姫さん→よつばの順序で行われています)
ホイホイさんや綾波さんと毛色は違いますが、一寸変わった演技を楽しんでいただければ幸いです。

また、今回のレポートでは全ての写真に
原型かトライ(テストショット)かの注釈を付けました。製品版の参考にしていただければと思います。
←左写真はレジン原型に着色。
■砂姫さんのテーマは「普通のフィギュアのように見せる」事でした。綾波さんは関節が気にならないようにデザインを変更させましたが、砂姫さんは関節そのものを隠すようにしています。
これは、生身の足を割る事に抵抗があった事や、タイトスカート+ロングスカート+前垂れというデザインでは、よほど割り切った分割を行わない限り大した稼動範囲はとれず、見た目を犠牲にしても見合う利は無いと判断した為です。
(左写真参考、足の動作範囲はこんな感じです)
自由自在に関節が曲がる、といった遊び方には少々不向きですが、それでも意外なほど印象を変える動きができると思いますし、差し替えパーツを用いればさらに派手な演技が可能です。色々試してみてもらえれば。
※下でも書いていますが、足は差し替えです。ヒザは曲がんないですよ(追記)

■関節は左写真のように入っています。
基本は軸関節とボールジョイントの組み合わせになります。
モップを持っている左手と、右足は別の形の差し替えパーツがついています。また、メガネ無しの前髪も同梱されています。(

←左写真はトライ2(前髪のみ透明レジン複製品)
■→右写真
砂姫さんの直立足は、基本的に交差させる演技や体重移動を前提に調整しています。ブーツの付け根にはボールジョイント、甲の部分には設置用の捻り軸が入っていますから、設置はしやすいはずです。つか、背部リボンと合わせ四点支持なので設置性は良いに決まっているのですが。

■↓下写真↓→右下写真
右足を曲げた足に交換した状態。浅井的にはこちらがデフォルトです。派手なポーズが決まりやすいので、直立の足に比べても遊びやすくておすすめ。
この曲げ足状態でも三点支持になりますから、設置は安定しています。今回掲載の写真は、全て
「自立」しています。ベースは必要ありません。

■→右、→↓右下、↓下写真は、全てトライ2(前髪のみ透明レジン複製品)
■←左写真
スカートが邪魔になる角度までは体勢を横にできます。大体45度くらいまでなら、問題なく自立します。飛び跳ね系のポーズで固定できるのはこういう方式の関節ならではかも。

■←左写真は、トライ2(前髪のみ透明レジン複製品)

■←↓左下写真↓下写真
モップは手首にパチッとハメこんで固定しますから、柄のどこでも持てるはずです。両手持ちも出来ますよ。

■←↓左下、↓下写真は、トライ1に一部リタッチ
■↑上→↑右上
告知写真なんかでも載っているポーズですね。あの辺りの写真は浅井がデジカメ撮影した画像(これ)を叩き台に再撮影しています。裏話。

■↑上、→↑右上写真は、トライ1に一部リタッチ

■→右写真
砂姫さんの手首は小さく、素材もABSですから、ホイホイさんのような保持力はありませんし、武器を持ち替えて遊ぶには不向きですが、モップと同じ3o径のシャフトなら持ち替えが可能です。写真はウェーブさんのQサーベル。ズビャッ!

弓引きのポーズもとれますから、本編登場の弓矢とかも造ると面白いかもしれません。許可がおりるならレジンででもやろうかなあ。

■→右写真はトライ2(前髪のみ透明レジン複製品)
■↑↑上二枚
上記二枚の写真は、テストショット第二段のものです。生産品では筆目などニュアンスは出しづらいので、工場塗装で栄えやすい形に最適化してありますが、塗装そのものは丁寧なのではないかと思います、多分(他の製品を知らんのです。スマヌ)。
肌は素材色に薄くグラデーションをかけています。
↑↑上写真は、トライ2
■↑↑上二枚
上記二枚の写真は、レジン複製品に塗装したもの。前髪はメガネ無しを付けています。
煽り角度で撮影しているのは、髪の毛の影で顔が写んないので。
■↑↑上写真はレジン原型に着色。
■→右写真
発売前にアレですが、先に弱点を一つ。
この砂姫さん、背部リボンのバタフライ部はベルトに繋がっているのに、テイル部はスカートに繋がっています。平常時は目立たないのですが、写真のように前屈させると、隙間がパッカリと。当初はテイルをバタフライの裏に繋げる事でちゃんとリボンの体裁をとっていたんですが、脚の役割も兼ねるテイルを接続するにはバタフライではあまりに脆く、製品としての安定性を重視してスカートに接続しました。ちょっと不細工ですが、御理解くださいませ。

→右写真は、トライ2
■さて、駆け足でしたが砂姫さんは如何でしたでしょうか。
少々クセのある可動物ではありますが、本ページを見て興味を持っていただけた方は是非手にとっていただけると嬉しく思います。造っている僕にとっては、冒険づくしで得るものの多いお仕事でした。信頼し続けてくださったうたたね先生をはじめ、今も頑張ってくれているスタッフの皆さんに感謝です。
ただ、冒頭にも書きましたが、最近、浅井関連の商品リリースが続きましたから、
勢いでなんとなく買っとかないといけないような空気に〜という方は、本ページを読まれた上で、もう一度落ち着いてご検討頂ければ幸いです。疑問がありましたらBBSまで書き込んで下さっても結構です。浅井の答えられる範囲でしたら、ご質問にはお答えできます。ご購入の際の参考にしていただければ。
トイ的な楽しみ方とは違う可動フィギュアですが、興味を持っていただければ嬉しいですよ。
宜しくお願いいたします。


←左写真は、トライ2(前髪のみ透明レジン複製品)




げええっ!?蹴り足で止めたっ!?
ビームを!?





追記〜砂姫さん発売後〜
■砂姫さん、04年7月16日、無事に発売とあいなりました。
お買い上げ頂いた皆さん、ありがとうございます。
さて、その砂姫さんですが、残念ながら関節の癒着があると伺ってます。
要するに、関節が夏の暑さと塗料で固まってしまっているんです。
説明書にも、その際の対処法は記していませんでした。
(不覚、説明書作ったの僕なので責任転嫁できねえ)
関節が固い、ねじ切れそう、と言う方は以下の方法を試してみてください。

1)冷蔵庫で冷やす。
30分ほど冷蔵庫で冷やし、PVC(素材)を硬くすることで捻じ切れを防ぎつつ、
やわらかさが生む摩擦力を抑えることで関節が回りやすくなります。
一度動くようになってしまえば、その後は軽く動かせるようになります。

2)ラッカーうすめ液を染み込ませる。(写真)
冷やしても改善されない場合、プラモデル用のラッカーうすめ液
(工業用ラッカーシンナーはNGです)を、細い面送筆に染み込ませ、
固まった関節にそっと流し込んでください。
流し込んだら、関節を回すのではなく、一度ゆっくりと抜いてみてください。
抜きやすくなっているはずです。
その後、うすめ液を軽く拭き取って、また関節を戻せばOK。
うすめ液は浸透力が強く、弱めの融解能力があるため、
塗装を犯すことなく、関節のみを緩くすることができます。
(ただし、PVCとPVCに対してのみ。ABSは脆くなる可能性があります)
この方法は、僕もメールで教えていただいたものですが、
大変効果的ですのでお薦めします。

3)最癒着を防ぐために。
上記の方法で動くようになっても、しばらく放置しておくと、
この暑さで再癒着してしまう可能性があるようです。
これは、一度バラしたあと、関節に潤滑剤を塗っておくと、この再癒着を回避できます。
潤滑剤は、グリスなどでも良いのですが、油脂製品は、
長期間を経ると塗装を侵す可能性も否定できません。
浅井的にはベビーパウダーをおすすめします。安いですし安全です。

4)「左右の脚の長さが違うんですが・・・」
原型では、左右の長さは同じですし、今浅井の手元にあるものも、
そこまで豪快な差はありませんので、恐らく個体差だと思うのですが、
組み付けミスやカカトの左右間違いもあるそうです。
おかしいな、と思われた方は、一度、脚をバラバラにして、
左右を確認の上、再度組み立ててみてください。
癒着対策のついでに行えばバッチシ!
この作業で改善したという方、お二人からメールいただきました。情報感謝です。

5)「パッケージだと左右の眼が違うんですけど・・・」
完成品製作の段階では、妖精眼(オッドアイ・ヘテロクロミア)の
カラーイラストは確認出来なかったもので、左右同じに塗ってしまいました。
当時、妖精眼の指定はありませんでしたから、新設定かもしれません。
という事で塗ってみました。
開き直りのようで申し訳無いのですが、この機会にアクリルガッシュをオススメします。



(7月21日最終追記)






お待たせでした。
発売になったよ。


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