こちらの製品は、07年5月18日、集英社からで販売される予定の、うたたねひろゆき氏著[天獄]単行本第3巻特捜版に同梱される製品となります。
販売についてのお問い合わせは、取り扱い書店、集英社までお願い致します。 写真に使用しているベースはコナミ製、武装神姫付属のもので、本製品同根ではありません。


■砂姫さん2nd
 以前製作しました天獄第1巻特装版の砂姫さんに続き、
3巻では、新コスチュームの巫女装束版を担当いたしました。5月18日発売予定で、価格は税込3980円。
 前回の砂姫さんの原型を作っていたのが、丁度三年前(発売は二年半前)になりますから、月日の経つのは本当に早いものです。
 その間、この種のフィギュアの常識というか、求められる要素が、自分的にもユーザーさん的にも大きく変化していて、今回の砂姫さんは、前回のものと比べると随分と印象の違う設計となりました。
■今回目的とした要素は、自由度と安定性です。
 ストレス無く遊べる事、これはどんな凝ったギミックにも勝ります。如何に複雑なギミックを用いようと、遊んでいてストレスを感じてしまうのであれば、楽しむ所まで及びません。これはここ数年の間に、浅井が最も痛感した事でした。
 しかし、自分で生産するアイテムで無い限り、製品強度や金型のクオリティチェックには限度があります。現状いくつかの仕事で我侭を言わせて頂いてますが、普通なら全くチェックさせて貰えないというケースもままあるのです。
■そこで今回は、依頼を受けるにあたって、製作元のユージンさんで、別途安定した関節を製作、供給することを条件とさせて頂きました。幸い、ユージンさんも同様の関節製作を目論んでおられていたようで、今回の砂姫さんには、ユージンさん設計の関節に、一部浅井が軸位置や形状など、改修要請を出した物が採用されます。勿論そうでは無い関節部分もありますが、調整箇所を集中出来る分、安定性は求められるはずです。
浅井自身も期待しているのですが、さて如何に。
■旧砂姫さんと。
身長は同じですが、プロポーション取りが全く違うので別人のような……
■件の関節が入っている箇所は7箇所。
 首、両肩、背部リボン付け根、両膝です(写真で使用されているのは浅井の制作したレジンサンプル)。稼働箇所は増え、前回のリミテッド的な可動から、全身が動くようになりました。その他の関節も、太く単純な関節ばかりですから折れるようなケースは少ないと思います。
■股関節はY字型のボールジョイントで胴体と脚を接続し、薄皮のパンツで覆ったシンプルなもの。06年夏のWFで展示した幼女素体「フェニカ」と同じもので、単純極まり無い構造ですが、複雑な関節の組み合わせよりも、安定性も見た目も、結果的に上と判断して採用しました。
 金型の再製作が可能、などの特殊な環境が約束されていない限り、構造は出来るだけシンプルにして、形状の追い込みで構造の利点を最大限に広げる、と言うのが、現状では結局一番ベターなようです。
■スカートは、手前2列分は固定(軟質素材)、後ろ側は太い2軸の関節で接続され、羽のように展開しますので、膝立ち位まで体勢を低くする事が可能になっています。
■前回の砂姫さんは、両脚と腰のリボンを使って自立するようになっていましたが、今回はスカートのテール部分を使って自立となります。また、腰のリボン中央のフタを取り外すと、3.3o軸の穴が出現、武装神姫に付属しているエアベースがそのまま接続できるようになります。今回紹介している写真にも、このベースを使用しています。
 この種のベースは、しっかりと支えられる作りのものを製造しようとすれば、存外経費がかかり、数も多量に生産せねばならない為、中々付属させる事が出来ません。そこで今回は、比較的に入手しやすく、安定性が確認されているこちらのベースと対応させました。武装神姫をお持ちの方は是非ご使用いただければ。

■ベースの接続はリボン中央、縦に結んで居る箇所に接続する事になります。リボンは本体と接着されていますので、根元から取れてしまうような事は無いはずです。
■昨年、バスターマシン7号を製作した際、明確に表情のついた顔面は、汎用性に欠けたとしても遊びやすいと感じた経験から、今回は頭部が2種付属しています。一つは睨み顔。前髪に隠れていますが、かなりキツめに眉毛をつりあげさせています。もうひとつは笑い顔で、ポニーテールやリボンの流れに合わせ、黒目は左(風下)を向いています。
 前髪は前回と同じく、メガネありとメガネ無しの2種類。劇中では、メガネ無しのシーンというのは見ないのですが、自作やエッチングメガネのご使用を望まれる方向けに、メガネ無し前髪を付属させました。
 撮影していて気付いたのですが、メガネの在る無しでも表情のイメージが変わりますので、そういった意味でもメガネ無しの前髪を付属させたのは正解だったかもしれません。
 他、前回はモップが付属しましたが、今回は竹帚と、差し替えの手首が3種類×左右付属します。


■両肩フリルは、襟元とライブに接続、両肘は捻りの一軸可動となります。捻りと共に不本意な角度へ向いてしまう振袖は、根元に折りたたむ形の関節を設けて、邪魔にならないようにしています。
■以上、砂姫さん2ndバージョンでした。
 現在、浅井の携わる可動体の系統は3系統あります。
 一つは、金型設計ありきで製作した「マシニーカ」。レイキャシや綾波の後継で、これはマス製品として武装神姫(MMS)になりました。更に後継も進展中です。
 もう一つが、06年夏のWFで展示した「フェニカ」。こちらは、浅井個人が全管理できる製品として金型開発を進めています。資金を貯めるのに3年かかってしまいました。
 最後の一つが、原型の原型、として運用している構造概念の集合体である「プラスチカ」。 これは素体の形をしたベータベースのようなもので、各部が複数づつ存在します。そのまま表に出る機会は無いでしょうが、構造の基礎として、常に変化しつつ、今後も多くの原型に関わって行く事になります。
 今回の砂姫さんにも、プラスチカからのスピンアウトが数多く含まれています。 製品化の経験則を活かし、工場やメーカー、状況の違いに合わせて、適切な着地点を目指すというのが、現在重視している制作指針なのですが、「ストレス無く遊べる」という事のなんと難しい事か。
 どんな凝った芸を演じても、土台が揺らいでいれば芸は楽しめません。 結局大事なのはそこだと行き着きます。
 新しい事よりも、普通で居る方がずっと難しい。
 まだまだ、戦わなくては。 




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